water weblog; 発展と生態系のための水

アジア・太平洋諸国の水に関わる課題


2006年3月にメキシコで開催された第4回世界水フォーラムで作成された地域文書(アジア・太平洋地域)の中で、アジア・太平洋地域で直面している課題がサブ地域(中央アジア、北東アジア、南アジア、東南アジア、太平洋諸国)別に整理(下記にサブ地域別の課題を抜粋)されています。課題の中には、伝統技術も含めた日本の得意とする技術・ノウハウが、課題解決のための参考の一助になることが期待されています。技術・ノウハウは実施主体、規模等が多様にわたると考えられますが、国内外で既に実施されている適用できそうな技術・ノウハウの活用事例がございましたら、本ブログ上でご紹介していただけませんか?

サブ地域別課題
【中央アジア】
河川流域の水利用関する環境保全意識の欠如および保全基本計画の不備
水及びその電力利用に関わる国家間の優先度の違い
国境を越えて影響を及ぼす新規水インフラの設計・建設における調整手続きの不備
水の共同利用に関する協定違反の紛争解決メカニズム、経済的損失回復手続きの不備
近隣諸国間での水文気象学データや水供給力予測に関する情報交換の欠如
地域経済統合に向けた政策・計画及び灌漑農業生産性向上に向けた域内協力体制の不備
【北東アジア】
水不足、洪水の頻発、水質悪化、水管理におけるガバナンスの不備
土壌侵食、水質汚濁
豪雨に伴う洪水や地すべりによる被害の拡大
森林の減少
気候変動に伴う水供給の減少
灌漑用水の需要の増大
【南アジア】
一貫性のない水利用に関する政策、管理体制
豊かな水資源があるにもかかわらず、大多数の河川の中流下流域は汚染されており、安全な飲料水と良質な水へのアクセスが十分ではない。
時代遅れのインフラ・潅漑技術が変化に対応できず、また、管理体制・システムは非効率であり、大規模な潅漑システムを維持しているため、水の生産性は低く利益が社会に還元されていない。
貧困層の多くが、水関連災害に脆弱な地域(洪水氾濫区域、山の斜面、乾燥地域等)で生活しており、水関連災害の結果、衛生施設も不十分であるため伝染病等が蔓延し、貧困層の生産性・生活に多大な影響を与えている。
農作業、不適切なごみ処理、無計画な都市化等に伴う地下水水染
家庭用、農業用、商業用、工業用のための地下水過剰取水に伴い地下水位低下や地下水汚染は許容レベル以上至り、地下水取水は涵養レベルを超えている。その結果、沿岸地域海水浸透が多くの地域で発生している。
【東南アジア】
豊かな生態系、生物多様性、水資源及びそれらの潜在的資源が急速に失われている。
急速な開発、都市部の人口増加に伴いう汚水・排水の増加、工業排水の不十分な処理、土地開墾に伴う堆積物、農業活動に伴う残留肥料、残留農薬、家畜汚物未処理等により、河川の水質は大幅に低下している。
安全な水・衛生設備にアクセスできないコミュニティーは、不健康になりがちであり、結果的に収入も減り雇用機会も失っている。
水資源の現状に対する情報不足、不公平な水分配、持続可能な水資源管理のできる環境の未整備、民間の参加を促すシステムや奨励策の不備、ステークホルダーの参加が保証されていない、水の価値や利益に対する知識・理解・認識の不足
統合的な水資源・土地開発・管理のための制度的枠組みの欠如
必要なインフラ整備のための財源不足
持続可能な水資源開発のための効果的なコスト回収システムの未整備
【太平洋諸国】
規模の小ささ、自然の貯水能力の低さ、競合する土地利用、干ばつ、サイクロン、都市汚染など、自然的・人的災害に脆弱であること等に起因する水資源の脆弱性
水事業体の人的・財政的資源不足
伝統的な社会の独特な社会・政治的、文化的構造、民族間・島内の慣習、権利、利害のために、水ガバナンスは極めて複雑である。

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