絶滅危惧生物カブトガニは沿岸環境保全のシンボル
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カブトガニは、東アジアの沿岸の干潟や河口に広く分布しています。日本では絶滅危惧生物であり、沿岸域の環境保全のシンボルとされてきました。
アジア太平洋水サミットが開催される大分県には、このカブトガニが棲んでいる豊かな干潟と沿岸域があります。「日本の内海の最後の楽園」と呼ばれる海域なのです。そして、干潟の自然条件を活かした水産業も盛んです。
日本では、カブトガニがほとんど絶滅しかかっている海域では、水産資源も減少し、漁村も経済的に厳しくなっています。しかし、環境が保全されていれば、持続的な漁業が営める可能性が残っているのです。
カブトガニは、沿岸環境保全のバロメーターです。
自然保護と水産業の関係は、まだ十分理解されているとは言えません。しかし、日本では、「希少生物の保護と持続的水産業」との関係は、近年にやっと認識されるようになりました。
日本には、カブトガニの保護と生息地の再生に関する歴史や教訓が蓄積されています。今、アジアでは沿岸域の環境悪化が進んでいますが、干潟や河口の環境悪化の予防に役立てればと願っています。
東アジアの他の国のカブトガニの生息地を訪ねてみたいと思っています。
清野聡子(東京大学大学院総合文化研究科)
コメント
私の好きな話題だったので、参加させていただくことにしました。
東京湾で活動しています。アマモの移植活動、ワカメの育成と回収(もちろん食べます)で海の浄化をする活動、海苔養殖の再生活動、干潟の保全、再生などの活動、子どもたちの自然体験活動(環境学習の支援)などをやってます。漁師さんたちとも一緒に活動する場面も多いです。
さて、食べる話ですが、先日、アメフラシを御馳走になりました。
人工海浜で問題視されているアオサですが、アメフラシが多い年は少なくなります。これを食べられれば循環になるのかなあとも思えましたが・・・。
青森でいちご煮をごちそうになったときも、隠し味がエラコだと聞きました。
私たちも観察会を続けている、東京湾では絶滅危惧種のトビハゼも台湾やフィリピンではスープにして食べます。韓国のユムシはちょっと手が出ませんでしたが、泥干潟で泥パックをやっている若い女性が多いのには驚きました。食を中心にした海辺での生活文化って大切ですよね。
ところで、東京湾で少なくなった、あるいは絶滅してしまったと言われているものたち、例えばシラウオ、ハマグリ(時々、千葉県の小櫃川河口で見つかります)、アオギス(カワギスとも呼ばれていました)、アサクサノリ(昨年、多摩川河口で生き延びているのが見つかりましたが)、海の浅場でのウナギ、などなど、全て川(河口)がらみです。川と海との繋がりを感じざるをえません。もっとも昔の方たちにとっては、そういう繋がりがあることが当たり前の話だったように思います。そういう常識が伝わらなくなってしまっていることにも問題があるように思います。
単純に海浜・干潟・浅場というだけでなく、磯場、藻場(海草場も含む)、あおこが多様な生き物たちの棲みかになっていること、海辺にセットである当たり前のものたちが、確実にいること、確実にいるような場があること、そこに、その場を守りながらの生活があること、そうした一連に営みが、豊かな水を担保しているのではないでしょうか。
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長崎でイソギンチャクを食べるというのは、大事な話です。長崎の知り合いに聞いてみますね。
駆け足で韓国の干潟を見てきました。韓国の景色や地形は、九州の北西岸がとてもよく似ていました。海を渡れば、同じような場所なのだなあと実感しました。
魚市場もすごく面白かったです。(カブトガニは見ませんでしたが)
イソギンチャクや海藻羊羹のオキュウトとか、東アジア沿岸で共通する食べ物がありそうです。
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イソギンチャクを食べると言うのは、長崎に修学旅行で行った際に、バスガイドの方から聞いた記憶があります。地元ではワケノシンノスという名前で呼ばれているらしいのですが、よく食べ物にこんな名前付けたなぁというような意味を持っています。気になる人は調べてみては?(笑)
おきゅうとは福岡のものだと思いますが、内陸の方だったせいか、普段からしょっちゅう食卓に上るものでもなかったです。昔はちょっと苦手だったのですが、今ではあの香りがなんとも言えずクセになります。有明海で海苔の色落ちが話題になっていますが、おきゅうとの原料となっているエゴノリも、最近あまり取れなくなってきているみたいです。馴染みのあるものがなくなっていくのは寂しいものです。
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「ゆきうさぎ」さん、今年のように雪がないときには、毛色はどうなるのでしょうか。
さて、「干潟の海藻の食べ物」ですが、「おきゅうと」は面白いですね。大分・中津や杵築でも食べさせていただいたことがあります。これは、おかず?お菓子?いつ食べればいいの?と戸惑いました。
「おきゅうと」の語源は、飢餓を救った「御救人」と聞いたことがあります。福岡での飢饉だったのだと思います。陸上の作物が不作でも、海藻羊羹でお腹が一杯になり、生き延びられたのかもしれません。
熊本の天草でも、海のおかげで、飢饉を免れ、子沢山でも育て上げられた、とききました。
三浦按針(ウイリアム・アダムス)についての小説でも、大航海時代の船乗たちが、海藻が食べられるという知識があったら、ビタミン不足の壊血病にならずにすんだのでは、という記述があったように思います。
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「生きている化石の研究会」から、充実したコメントをいただき、どうもありがとうございました。
米国東海岸のカブトガニは、7年前に訪問したときには「日本では絶滅危惧かもしれないけれども、米国ではまだ減少傾向ぐらいかな」という返答でした。しかし、近年、どんどん減っているようですので、米国主催のカブトガニ保護の国際会議が開かれることになったのですね。
日本のカブトガニの保護でわかったことを、アジアのほかの生息地の国々に伝えていく情報集約をしていきたいですね。
沿岸・河口環境の良好な状態のバロメーターのカブトガニの生息が、世界中で危機になってしまうのは、本当につらいです。
今後、特に、アジアには緊急に伝えていく必要がありますね。
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食べることでお話が盛り上がっていますね。笠岡では、昔、夜尿症に効くといって利用されたり、また、畑の肥やしにも利用されたりしていたそうです。
日本でも有数の生息地だった笠岡も干拓事業などの沿岸域の開発により広大だった干潟も減少し、生息地が狭められ、残った海も水路状態となり、水質の悪化などの影響で絶滅状態となり、成体の放流、人工飼育した数百匹の幼生の放流など、十数年間毎年行われてきたが、環境状態が悪く生存の確認がありませんでしたが、数年前から婦人会などの水質浄化運動が実ってきたのか、水質も良くなり、放流された幼生が確認できるようになってきました。
「カブトガニは、沿岸環境保全のバロメーター」そのとおりだと思います。
アメリカのデラウエア湾に注ぐ河川でも開発、水汚染が進み産卵に来るカブトガニの減少がみられるようになったとか、マレーシアでも沿岸域の開発で見かけるカブトガニが少なくなってきたという話しを聞くようになりました。
笠岡では、1917年頃から保護、育成を重点的に行われてきましが、沿岸域の環境をも含めた保護・保全を考えていくべきだとおもいます。
保護のためにやるべきことは多く、教育、広報・啓蒙活動、生息地保全計画、研究開発からの立法措置まで色々有ると思いますが、今、自分ができることを、無理をせず実行していくと言うことが大切に思います。
一昨年、アメリカのデラウエアを中心に活動されている環境保護団体「ERDG」の代表の方と知り合い、アメリカ・カブトガニの現状を聞いてみた所、毎年春から夏に何百万匹もが産卵に来る、デラウエア海岸でも、海岸浸食、開発、海水環境の破壊、水汚染、人口密度増加、商業的利用などが原因で減少しつつあるのが現状ですとの話でした。彼らが現在、保護運動のひとつとして、「ひっくり返して起こしてやるだけ(カブトガニの悲しい習性で、仰向きにひっくり返ると、容易に起き上がれない為で、デラウエア湾では繁殖期の成体の10%…毎年40万匹ほどが起き上がれないために死んでいる。あなたが海岸を歩いていて、仰向きになってもがいているカブトガニを見たら、そっと甲をつかんで、ひっくり返して起こしてやって欲しい、そうすればカブトガニは海にもどることができる。)」をスローガンにして訴えかけているそうです。また、2年前から、アートを通じてカブトガニ、自然環境への関心を持ってもらおうと幼児から高校生を対象に「カブトガニのアートコンテスト」の作品を世界中から広く募集し、昨年、第一回の入賞者の展示会がアメリカ各地で開催され。日本での展示会開催・作品募集を頼まれ、昨年8月から福岡を始めに、笠岡、西条市で開催。現在、笠岡では2回目の展示会を開催しています。今回の作品募集は、今年、6月にニューヨークで開催される国際カブトガニシンポジウムの会場での展示会をはじめにアメリカ各地で開催され、日本でも開催できるように協力するつもりです。応募作品も現在、保育園園児の作品が40点程届き、
カブトガニに少しでも感心を持ってもらえたのかなと思っています。
今、自分にできることを、無理をせず少しでも実行していくことで、保護・環境保全に役立つのではと考えている所です。
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沖縄いいですねー。お仕事ですか?それとも別府温泉のキャンペーン???
海ブドウは最近スーパーでも見かけるようになりました。
海藻といえば、豊前海は今、海苔シーズンです。海でひらひらしている海苔をそのまま酢醤油で食べるのがすごく美味。冬の間、山国川河口のスジアオノリも乾かして小さく砕いてお醤油と混ぜてごはんにかけるとウマ!!
オゴノリも湯がいて酢醤油がすごーく美味しいです。
そういえば、大分?九州?には「おきゅうと」という海藻の抽出液を固めた寒天みたいな食べ物があります。原料がなにかは知りませんが・・・。
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沖縄ですか!
この時期は、ザトウクジラも来遊して、那覇からちょっと船で出れば、歩エールウオッチングができますが、今年はどうだったでしょうか?
別府湾にも、クジラが来て話題になっていましたが、サミットの時にも来遊してくれたらいいですね。
さて、<サンゴ礁や干潟の海藻>も健康食品として注目されていますね。海ブドウは、味が海藻で、食感はぷちぷちした魚卵のみたいで不思議な食品です。
大分の干潟のある沿岸部では、オゴノリの海藻羊羹をいただきましたが・・・
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ユムシはですね~・・・。
大分の干潟は「ジュラシックパーク」です。
生物学の授業で図鑑や標本で見たものが、生きて動いているので、すごく感動。
干潟屋さんが大分の干潟で癒されてしまうのは、この感動なのだと思います。
自分のフィールドを埋め立てられちゃった人たちは「フィールド・オブ・ドリームスだねー、これは」とつぶやいてました。
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ユムシやイソギンチャクを食べる話ですが、
酢の物や煮たのよりかは、元の味のある生で食べるのがやはり美味しいのでしょうか。
干潟の栄養分の状態によって、ユムシやイソギンチャクの筋肉の成分も変わるはずなんで、すると、味も違うんでしょうね。
アジア太平洋の干潟で、どんな生物を食べているのか!
日本だけでもこんなにいろいろあるんですから。
サミットでは、そういう「生態系と食の多様性」みたいな宴会ができると楽しいですね。それをやるには、大分は最高の場所だと思います。
このテーマCで、生物多様性も重要テーマなので、是非、水サミットを機会にいろいろ知りたいです。
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沖縄帰りです。天気に恵まれまして沖縄の海もエメナルドグリーンできれいでした。沿岸ではモズク刈り真っ最中でした。また「海ぶどう」というのがあり、緑色の海藻に小さいぶどうが鈴なりについているようで一体どんな味がするのでしょうかね?
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私ばっかコメント書いてますね。すみません。読者の皆さまも是非!
イソギンチャクは大分の国東でも酢味噌和えになっているのを目撃したことがあります。
昔、銀座の喫茶店のランチに付いていたお味噌汁の中にカメノテが入っていたのですが、当時「山の人」だった私は、えらくビックリしました。
この辺(大分県北)で食するものでビックリなのは、やはりカブトガニですが、「ユムシ」というのも食べます。見た目が×××なので、レディには口にしたらいけない!呼び名もあるやつです。そのまま切って内臓取り出して細切りして酢の物、とか一夜干しとかがポピュラーな食べ方ですが、地の方は、干潟から掘り出したのをそのままチュルンと食べるそうです。それはちょっと・・・。
ユムシもなかなかとれなくなっていて、豊前海の珍味と化している昨今ですが、ユムシ自体を知る人が少なくなっているのも確かです。流通が発達して、日本中の食卓が同じになってしまうのはさみしいですね。
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確かに「食べる」話は盛り上がりますね。
国内で同じような干潟の生態系があって、生物相が同じでも、食べる地域と食べない地域があるのがフシギです。
九州は結構何でも食べてすごいなーと思います。ほかに美味しいものもあるんでしょうが、好奇心が旺盛なんだと思います。
東京湾の船橋の干潟でも、昔は、イソギンチャクも酢味噌和えで食べていたそうです。
大分ではどうですか?
「毒があります」といわれているもの以外は全部食べられるということだと思います。不味いかどうか、なのか。
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そういえば、ここのお年寄りたちも「ハチガメん卵は食べると舌がピリピリする」とおっしゃいます。でも、そのピリピリがいいんですと。見かけによらず脂っこいとも聞ききます。
カブトガニの保全の話はなかなか進みませんが、カブトガニを食べた話はとっても盛り上がるのは、やはり「食べる」ことが人間の基本だからでしょうか。
ま、美味しい物がたくさんあふれている現代では、好きこのんで食べる人はいないようですけど。
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「食べる」は生物と人とのコミュニケーションでもあるのかな、と。
東アジア各国では、カブトガニを食べるようです。マレーシア、タイ、台湾では情報があります。
水産学科の学生だった時代に、「食品化学」の研究室の冷凍庫に東南アジアのカブトガニ(マルオカブトガニ)が入っていて、びっくり仰天。当時、カブトガニを食べてでお腹を壊す人が続出するということで留学生が研究されていました。学生は、殻を標本にいただいていました。
福岡県北九州市の曽根干潟では、カブトガニキムチをつくっとった、、、と聞いたことがあります。
カブトガニは大きな海岸生物ですからすぐ見つかってしまうし、海岸では捕獲が容易なので、すごく美味しかったら、獲り尽されてしまうのでは・・・と。それ以上に個体数があったのか、それとも、他にもっと美味しい海の生物がいたからでしょうか。
干潟文化は、東アジアとつながっているようなので、水サミットで、そういう話や交流もできるといいなーと思います。結構楽しみ。
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中津干潟では子どもたちのアイドルのカブトガニは、我らが水辺に遊ぶ会の活動のシンボルでもあります。さて、カブトガニの脱皮殻や大きな標本を持って、干潟保全の布教活動にあちこち出かけると、「おばちゃん、カブトガニは食べたら怒られるん?先生が天然記念物だけん、食べたらだめっち言った。でも、うちのじいちゃん食べよるよ」と子どもたちが心配そうに聞いてきます。そうなんです。ここ、豊前海では、今でこそ少なくなりましたが、カブトガニ食べる方がいらっしゃいます。カブトガニファンとしては何ともお返事のしようがないのですが、でも、これって立派な郷土の食文化・・・ですよね。見方を変えると、それだけカブトガニがたくさんいるという証拠なのかもしれません。漁師さんに「やっぱ、何でん食べてみにゃいかんよね」と発言をした数日後、炊きたてホカホカのカブトガニの卵をタッパーに入れていただいた時には、硬直しました。ワタシ。
そういえば、東アジアでは食べるんですよね。立派な食材。
ゆきうさぎ@水辺に遊ぶ会
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東京湾の話題もどうもありがとうございます。
関東で育って大きな干潟を見ることもなく育ちましたが、九州で大学1年で初めて見て、大感動。こんな世界があるのかと思いました。
東京湾にも過去あったと聞いて、逆の意味でもびっくりです。
「干潟の食」ネタは、別のエントリーをつくりますね!
アジア太平洋水サミットでは、是非、アジアの干潟の食、太平洋の磯の食のセッションとかつくれるといいんですが!!
| by 清野聡子@東京大学大学院 総合文化研究科 | 05.08 2007 12:12 | url: |